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ホーム > 島川孝博の「育て上手 vs 育ち上手」(第1回)
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●第一回 「育ち上手は訊き上手」

■ プロローグ

 世の中には「人材育成」のノウハウが山のように出回っています。そのひとつひとつのそれぞれに意味があり、ためになるものだと思います。

 しかし、世の中には、そういう理論的で体系的な知識を持ち合わせていなくても、その人の下につくと不思議に誰もが育ってしまう「育て上手」がいるものです。また、上司が誰であっても、なぜか勝手に育ってしまう「育ち上手」もいるものです。

 こういう人たちには、どういう特徴があるのでしょうか。その特徴を抽出できたら、ノウハウ本とはまた違った切り口で「人材育成の極意」を見出すことが可能かも知れません。

 「育て上手 VS 育ち上手」は、筆者が実際に見聞きした実例をもとに、「育て上手」と「育ち上手」の特徴的な行動や発言から「人材育成の極意」を探ってみようという試みです。

 その実例は、できるだけ具体的なビジネスの現場をそのまま再現することを心がけ、「ああ、それはある!」と実感していただけるようなものにしたいと思っております。

 いくつかの事例とその解釈を参考にしていただき、あなたなりに「人材育成の極意」を感じ取っていただければ幸いです。

 なお、ここでタイトルに使用している「 VS 」は、対立を意味するものではありません。昔懐かしい「こども映画祭り」によく見られた「ウルトラマン VS 仮面ライダー」のようなものです。深い意味はありませんので、ご了承ください。

■「育ち上手は訊き上手」

「この人は伸びる」と直感する若手社員に共通する特徴として、「訊き上手」が挙げられます。

 例えば、仕事の指示や説明をしているときに、それは現れます。実際にそういう社員は、同期と比べて遥かに早いペースで知識も技術も習得していきます。

 例えば、こんな場面で、もしあなただったらどういう反応をしますか?

【場面その1】

 社内研修で自社が採用する分析設計手法を学んだ直後、実際についた業務では別の手法で作業を行うように上司から指示された。

 あなたが若手社員だったなら、何番の反応をしますか?

 1.上司から指示されたことだから、何の疑問も感じずに黙って従う。

 2.上司から指示された以上何らかの意図があるのだと解釈し、黙って従う。

 3.「なぜだろう?」と疑問に思いながら、上司の指示だから黙って従う。

 4.「社内標準と言っていたのに標準でもなんでもない、それが現実。あの研修は何だったんだ。馬鹿馬鹿しい」と、不満を抱えながら、しぶしぶ従う。

 5.「申し訳ありません。ひとつ教えてください。どうして社内標準の手法を使わないのですか?」と質問する。

 そうですね。「5.」の反応をする若手社員が一番の「育ち上手」です。

 そこには、「指示の意図や真意をきちんと理解し、納得して業務を遂行する」という仕事に対する基本的な姿勢が現れています。また、「訊きにくいことでも、しっかりと確認することが大事」と理解していて、それを実行できています。さらに、その訊き方も「失礼のないように礼儀正しく、誠実な質問の仕方」になっています。
  その上、この疑問は当然の疑問であり、本来ならば、作業を指示するときにきちんと説明しておくべき内容です。

 こういう社員は、作業の結果に「勘違い」や「解釈の誤り」が少なく、確かな結果を出せるものです。無駄な作業が少なく、効率的に仕事ができるので、必然的に一定期間内の経験量が多くなり、学ぶ機会を多く持てるものです。

 また、こういう社員は誰からも可愛がられ、たくさんの上司や先輩から親切に教えてもらえます。それがまた本人の成長に大きく寄与します。

 次回は、同じこの場面を、逆の立場から考えてみたいと思います。

 こういう場面では、指示する側の上司は、どう考え、どう行動すると良いのか、そこに「人材育成の極意」は見つかるでしょうか。どうぞご期待ください。

********* 【筆者プロフィール】 ****************************************

島川 孝博
 サンネット株式会社(http://www.sunnet.co.jp/html/) コンサルティング事業部 部長。

 横浜市立大学卒業後、株式会社小田原電子計算センター(現サンネット株式会社)入社。システム開発業務に従事しながら、自社の新入社員教育体系を構築し、社内教育テキストを執筆。プロジェクトマネージャーとして数々のプロジェクトを担当する課程で、知識や技術だけでなくヒューマンスキルが重要であることを痛感し、社内教育体系を整備。社員の成長意欲を刺激し能力開発を業績へと結びつける公平で納得性の高い人事評価制度を構築。人事評価制度の仕組と人材育成の理念を書籍として出版(下記【著書】参照)。書籍の出版を契機に「ITスキル標準」に関する研究活動に参加(下記【所属団体・社外活動】参照)。現在は、プロジェクトマネージャーとしての役割を後進に任せ、コンサルティング業務に専念。社内の人材育成だけでなく、UISS活用ワーキンググループのメンバとしても活動。

【保有資格】
ITストラテジスト、プロジェクトマネージャー、特種、一種、二種
特定非営利活動法人ITCA認定:ITコーディネータ 
米国PMI認定:PMP(プロジェクト・マネジメント・プロフェッショナル)

【実績】
・ITスキル標準を活用した「人材育成/人事評価制度構築」コンサルティング(実績:IT企業全国11社)
・UISSを活用した「人材育成制度構築」コンサルティング(実績:大手生保1社)
・人材育成・人事制度に関するセミナー講師(延べ33回1,170名 内自社開催9回453名)
▼ 自社開催セミナー『育つ社員のつくり方』の取材記事
http://www.nextet.net/e-learning/69/feature/sp04-1.html
・神奈川県内大学・高校の社会人講師 数校

・2009年度専門化コミュニティ活動表彰(経済産業省 商務情報政策局長表彰) 受賞
http://jinzaiipedia.ipa.go.jp/view/18/545/
・2010年度(第21回)iSUC一般ユーザー部門優秀講師賞(GOLD) 受賞
http://www.uken.or.jp/isuc/isuc21/about/history.shtml#02
→IBMユーザー研究会機関紙「IBM USERS」2011/1(585)号に講演抄録掲載
http://www.uken.or.jp/users/pdf/users585-w.pdf

【著書】
・「情報処理企業のためのキャリアパスによる人材育成・人事評価 運用と実践」(2002年12月初版)
・「ソフトウェア企業は人材育成なくして生き残れない ―人を育てる4つの柱―」(2006年9月初版)

上記のセミナー、書籍、コンサルティングに関するご意見・ご質問およびお問合せは、下記宛てにメールにてご連絡ください。
consult@sunnet.co.jp

【所属団体・社外活動】
・ITスキル標準センター「ITスキル標準ワークショップ」(2003年度)
・ITスキル標準センター「ITスキル標準を活用した人材育成のあり方に関する検討委員会」
・JUAS(社団法人日本情報システムユーザー協会) 人材育成研究部会
・UISS(情報システムユーザースキル標準)
2006年度:策定WGメンバ、 2007年度:改善WGメンバ、2008年度:改定WGメン 、
2009年度:活用WGメンバ
・JSDG:日本システムアドミニストレータ連絡会 正会員
(2008年度:全国大会幹事長、2009/2010年度:副会長、2011年度:会長) 
・JISTA:日本ITストラテジスト協会 (旧JSAG:日本システムアナリスト協会)正会員

【リンク】
・UISS(情報システムユーザースキル標準)
http://www.ipa.go.jp/jinzai/itss/uiss/uiss_download_Ver2_2.html

・JSDG(日本システムアドミニストレータ連絡会)
https://www.jsdg.org/

・JISTA(日本ITストラテジスト協会) 旧JSAG(日本システムアナリスト協会)
http://www.jista.org

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