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南和気の時代を勝ち抜く若手の育て方

これからの若手教育に、リベラルアーツ

私は、長く海外企業で勤務していて、外国人の優秀な若手に出会うことがあります。彼らは、知性や能力という点では日本人と比べて突出しているとは限らないと思います。しかし、一方で大きな差を感じるのは、グローバルなチームを率いるときのマネジメント能力です。彼らは、「多様性をマネージする能力」に非常に長けているのです。これから日本企業や日本人がグローバルビジネスの中で勝ち残っていくためには身につけていかなければならない力なのですが、残念ながらほとんどの企業ではまだまだ手つかずの状態です。私自身が経験したことも含めて、日本人による多様性のマネジメントを考えてみたいと思います。

◆日本という特殊な国
日本の労働社会は長い間「単一性」の中で文化が形成されてきました。「男性社会」、「単一民族」、「一定の年齢構成」、「均質化された文化背景」、「一つの母国語」、など、その特徴を挙げればきりがありません。しかし、海外では、性別、年齢、国籍、文化、言語、地域など、あらゆる多様性の中で組織が構成され、チームとして機能させることが当たり前になっています。自分の部下が異なる国にいることや、自分の上司と直接会ったことがない。という環境で仕事をすることも珍しくありません。日本企業が今後グローバル経営に乗り出す中で、このような組織の在り方は避けることができなくなっていきますが、日本ではこの多様性のマネジメントに関する知識や教育がまだまだ手つかずに近い状況で、備えができていません。

◆多様性をマネジメントするために必要な能力
多様性のあるチームをマネジメントするには、大きくは二つの能力が重要だといわれます。一つは「高いコミュニケーション能力」、もう一つは「多様性を理解する能力」です。
まず、「高いコミュニケーション能力」に関しては、さらに三つの能力に分解することができます。それは「言語力」、「ロジカルシンキング」、「ファシリテーション能力」です。例えば、直接会って話すことができない中でも、電話やe-mailといった限られた方法で、コミュニケーションを円滑に行い、正しく物事を伝えるには、「シンプルに」、「論理立てて」、「適切に段取りを行ったうえで」コミュニケーションを行う必要があります。言語力に関しての教育には多くの企業が取り組んでいるものの、本当の意味のグローバルなコミュニケーション力をつけるには、さらにスキルが必要になってきます。

一方、「多様性を理解する能力」に関して言えば、日本人にとって、この習得は非常に難しいことです。なぜなら、理解するにあたっての前提となる知識、言い換えれば、国際的一般教養、いわゆる「リベラルアーツ」を学ぶ機会が、学生時代を通じてほとんどないからです。これが昨今、日本の大学教育の中で大きな問題となっています。同時に、企業における若手育成の進捗にも深刻な影響を与えています。

◆日本と米国における大学教育の違い
ここで、大学教育におけるリベラルアーツに対する取組に関して、日米の違いを簡単におさえておきたいと思います。リベラルアーツとは、言い換えれば西洋文化の学術・学問の基礎と考えてよい学問です。日本にも大学教育の中で最初の二年間、一般教養学科がありますが、実情は、専門学科に進んでからの学問がメインであることは否めません。また、日本の場合は、大学に入学する時点で学科が決まっているので、一般教養そのものの位置づけが高まらないことも事実です。
一方、米国の大学では、入学時点では学部を決めずに、まず大学そのものに入学するという形です。そしてリベラルアーツにあたる基礎学問を2年間しっかり学ぶ中で専攻(メジャー)を決めるのです。よって学生もリベラルアーツを熱心に学び、そこでの成績が専攻を決める上でも重要になります。この知識の差が、グローバル経営を支える若手の能力に差を生み出しています。

記事イメージ

◆日本の大学でも進んできたリベラルアーツ教育
最近は、日本でもリベラルアーツがブームになってきています。日本のリベラルアーツカレッジの代表は国際基督教大学(ICU)ですが、ここ10年ほどのうちで、秋田に国際教養大学、大分に立命館アジア太平洋大学、早稲田大学に国際教養学部などが次々に誕生し、リベラルアーツ教育を標榜するようになっています。また、企業でもこれらの大学への派遣留学や、短期留学などの取組が始まっています。しかし、まだまだ米国のリベラルアーツカレッジとの差は歴然としたものがあります。今後は企業の若手育成においてリベラルアーツの教育がますます不可欠なものとなるでしょう。

・今日の一言
互いに相違点があることは認めよう。たとえ今すぐ相違点を克服できないにしても、少なくとも多様性を認められるような世界を作る努力はできるはずだ。
ジョン・F・ケネディ

次回もお楽しみに!

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南和気 掲載記事情報

株式会社小松製作所 顧問 日置 政克氏と対談させて頂きました。
グローバル人事成功のための挑戦と極意をぜひご覧ください。
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https://www.hrpro.co.jp/series_detail.php?t_no=389

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********* 【筆者プロフィール】 ****************************************

南 和気

SAPジャパン株式会社 人事/人財ソリューションズ Director
大阪大学法学部卒業後、米国企業を経て2004年よりSAPジャパンに入社。
人事・人材戦略のコンサルティングおよびIT活用の提言に従事。
国内外含め多くの顧客企業に"日本型タレントマネージメント"を導入。
講演多数。

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