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南和気の適所適材のススメ第12回(最終回)

若手を育てたいなら、まず褒めること

昨今、日本企業の多くがグローバル人事に取り組んでいます。そして、その多くには米国企業の様々な手法が取り入れられています。しかし、米国と日本では人材育成の根本的な考え方が異なります。果たして若手の育成に関しても、米国の良いところを日本企業はうまく取り入れられているのでしょうか。
 
◆長所を褒める米国、欠点を克服する日本
日本と米国の人材育成に関する考え方で、最も大きな違いは何でしょうか。それは、人材育成の考え方が、米国は「長所を伸ばす教育」、日本は「欠点を克服する教育」であることです。これ自体は皆さんどこかで一度は聞いたことがあるのではないかと思います。アメリカの学校教育では、とにかく褒めます。それぞれの良いところを見つけ、それを徹底的に褒めるのです。その結果何が起こるかというと、アメリカでは才能を持つ者はどんどん伸びていきますが、才能を持たないものは欠点を克服できずに落ちこぼれていきます。片や日本式教育は、欠点や、劣っている部分を見つけ、その克服に注力することで、平均的な能力を持つ者が多く育ちます。それぞれに良いところがあり、どちらが優れた教育方法ということはないのですが、今の日本企業は、どちらの人材を望んでいるのでしょう。多くの企業の人事部の方々が口をそろえていうのは、「一芸に秀でた人材」や「新しい発想を持つ人材」が欲しいということです。極めて早い時代の変化と、グローバル競争の時代を迎える経営環境の中で、他社に負けない”何か”をもつ人材が存在するか、これこそが企業の競争力の原動力になることは、多くの企業が理解していますが、果たして、若手の育成手法は米国式に変わることができているのでしょうか。
ime-zi

◆日本人のための、褒めるスキル
私は長く海外の企業に勤めており、普段から外国人とよく接しています。上司が外国人というときもありました。彼らは確かによく褒めます。どうでもいいようなことでも大げさに褒めるので、日本人からすると、だんだん本気で言っている感じがしなくなってしまって、あまり心に響かなくなってしまいます。つまり、日本人は”褒められ慣れていない”文化なのです。よって米国式のひたすら大袈裟に褒める手法をそのまま取り入れてもうまくはいきません。日本人を褒める場合は、日本人の心に響く褒め方を学ぶ必要があります。これは簡単なようでレベルの高いスキルなのですが、日本企業ではまだまだこのスキルを磨く取組が不足しています。
例えば、私がある企業の管理職のインタビューを行った際に、「最近若手の部下を褒めた時の言葉を教えてください」という質問に、「君に任せれば安心だ。」と答えた管理職がいました。本人からすると、最大限に褒めているということなのですが、この言葉は、特に若手にとっては褒めていることにはならない場合が多いのです。言われた若手は「押し付けられている」と感じてしまいます。20年前なら、「頼りにされているのか、よし!」と意気に感じる若手も多くいたと思いますが、今は「頼られて負担だな」と感じる時代です。ではどう言えばよいのか。「一緒に頑張ろう。頼りにしている」。こう言えば、自分が認められていると感じます。ちょっとしたことですが、伝わるニュアンスが全く違うのです。褒めるスキルとは言葉の選択スキルに他なりません。ほんの少しの言葉の違いを正しいタイミングで正しく操るスキルこそ、現代の人材育成スキルの根幹です。

◆褒めることと評価することの違い
こういう話を様々な企業でお話しすると、「いやいや、私は社員をよく褒めているよ」と答える方もいらっしゃいます。しかし「褒める」という考え方自体が間違って理解されていることも多くあります。
よく見かける例として、褒めることと、評価することを混同している管理職の方々が多くいらっしゃいます。評価するのはあくまで仕事の”結果”に対して行うものであって、褒めることは、よりよい結果を生み出す”プロセス“のために行うものです。ですので、褒めるときは、上からの目線ではいけません。例えば、「なかなか良くやっているよ」というのは、全く褒めていることにはなりません。褒めるということは、単純に相手が素晴らしいと思う感動を伝えることが大切であって、「なかなか良くやっているよ」というのは、ある一定の期待値を勝手に設定し、それに対してどの程度できたかを評価しているに過ぎないのです。これでは若手のモチベーションは上がりません。

皆さんは、褒める言葉を正しく選べていますか?

・今日の一言
“私はこれまでに、世界各地の大勢の立派な人々とつき合ってきたが、どんなに地位の高い人でも、小言を言われて働くときよりも、褒められて働くときのほうが、仕事に熱がこもり、出来具合もよくなる。その例外には、まだ1度も出会ったことがない”
チャールズ・ シュワップ

次回もお楽しみに!

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南和気 講演情報
■SAPグローバル人材フォーラム2012 in大阪 第2回
【外資系企業&日本企業〜それぞれの事例にみる、現地化の推進と人材戦略】
日本マイクロソフト株式会社、三菱重工株式会社の先進事例をご紹介。
また、南和気のQ&Aセッションを行います。
開催日 : 11月20日(火)13:00-16:30
会場  : ブリーゼプラザ 小ホール (大阪/梅田)
お申込 : http://www.b-forum.net/global2012/osaka/

■東洋経済HRフォーラム
【日本発グローバルリーダー育成のカギ 〜世界で活躍するリーダーをいかに育成するか〜】
LIXILグループ 八木洋介氏と日立製作所 山口岳男氏の事例講演決定!
南和気のQ&Aセッションも併せて開催します。
開催日 :  11月26日(水)13:30-17:00
会場  : イイノホール&カンファレンスセンター Room A (東京/霞ヶ関)
お申込 : http://www.toyokeizai.net/ad/rd2/seminar.htm

SAPジャパン 人事専門Webサイト
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http://www.sap.com/japan/hcm

********* 【筆者プロフィール】 ****************************************

南 和気

SAPジャパン株式会社 人事/人財ソリューションズ Director
大阪大学法学部卒業後、米国企業を経て2004年よりSAPジャパンに入社。
人事・人材戦略のコンサルティングおよびIT活用の提言に従事。
国内外含め多くの顧客企業に"日本型タレントマネージメント"を導入。
講演多数。

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